のぐともカナダ留学ブログ

15歳で留学開始し、カナダ11年目。 高校、大学を卒業し、現在は幼児教育者として働いています。 永住権取得済み。

幼児教育において大切なこと

 

こんにちは、のぐともです。

今回は、大学や職場で学んだ私なりの「幼児教育において大切なこと」についてまとめていきたいと思います。

 

 

幼児教育において大切なこと

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みなさんにとって、幼児教育で大切なことって何ですか?

 

教育方針や考え方は人によって違うので、この問いに対する答えも自ずと人によって違ってくると思います。それに、幼児教育で大切なことは一つではないでしょうし。そんなたくさんある大切なことの中でも、カナダの幼児教育機関が必ずと言ってもいいほど常に気を配っているのが「Language (言葉)」です。

 

言語という意味のlanguageではなく、言葉という意味の方のlanguage。簡単に説明してしまうと「言葉のチョイス」です。現場にいる先生たちが子供達に対して常日頃から使う言葉。教育機関でなくても、子供がいる親御さんにとっても大事なこと。一番言葉が大切になってくる場面は、私たち大人が子供に注意を促す時。

 

普段どんな言葉で子供に注意をしていますか?

 

カナダの幼児教育方針

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私自身、日本の幼児教育現場で働いたことがないため日本の幼児教育がどのような感じかはわからないのですが... カナダの幼児教育で大切にされていることは「ネガティブな言葉を使わない」ということです。

 

 

NGな幼児教育

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私たち大人でも、ネガティブな言葉ってなかなか耳に入ってこないですよね。注意されてもイマイチ浸透してこないというか... (笑)  特に子供たちは「ダメだよ」と注意した際に「分かった」とすぐに止める子は多くなく、逆に「WHY?/なぜ?」と聞いてくる子が多い気がします。これは大人の揚げ足を取ろうとしているわけではなく、シンプルに「なぜ注意されたのか分からないから」という場合がほとんどです。

 

私たちは何かを注意するとき、つい「だめ!/ NO!」と一番最初に言ってしまいがちなのですが、これでは子供達に「なぜダメなのか」という説明がなされていません。そのため、理由が分からぬまま「何かよく分からないけどこれはダメなことなのか...」と思いつつ知らぬ間にまた同じことを繰り返してしまう可能性が高くなると思います。

 

特に重要な部分として、いきなり「だめ!/ NO!」と言われると、怒られてる気分になりませんか...?確かに本気で怒っている場合もあるとは思いますが、ほとんどの場合は特に怒っているわけではなく、ただ危ないから注意をしようとしてるだけのことが多いと思います。しかし「だめ!/ NO!」といきなりネガティブな言葉から入られてしまうと、こちらもネガティブな気持ちになり、なかなか注意が耳に入ってきませんよね...

 

ではどうすればいいのか。

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ネガティブな言葉の代わりにポジティブな言葉を使います。

ネガティブな言葉や対応がネガティブな結果や反応を招くように、ポジティブな言動はポジティブな結果を招くことが多いのです。

 

ポジティブな言葉とは。

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簡単に例をあげます。

  • 教室内で走ってる子に注意を促す時

NG:

「Don't run in the classroom! (教室内で走らないで)」

「You shouldn't run! (走っちゃだめ!)」

 

Alternative:

「Use your walking feet please (歩き足を使ってね)」

「You can run as much as you want outside later (後で外で好きなだけ走れるよ)」

「You almost bump into him/her. Do you think it is a good idea to run in the classroom? (もう少しで彼/彼女にぶつかりそうだったよ。教室内で走るのはいい考えだと思う?」

 

  • 危ない所に登ってる子供に注意を促す時

NG:

「Come down! (降りてきて!)」

「You can't do that! (ダメだよ!)」

 

Alternative:

「What if you fall off and bump your head, like the five little monkeys? I don’t want you to be one of them! (Five little monkeys みたいに落ちて頭打ったりしたらどうする?私はあなたにそのうちの1匹になってほしくないな〜)」

*Five little monkeysは北米では有名な、よくサークルタイムで歌も歌ったりして子供達も大好きなストーリー*

「I saw your legs were almost hitting him/her! I don’t want you to hurt others even if it’s an accident. What do you think? (あなたの足がほぼ彼/彼女に当たりそうだったよ。たとえアクシデントだとしても誰かに怪我をさせて欲しくないな。どう思う?)」

 

  • 子供が友達と話してて前を向かずに歩いてる時

NG:

「You can't walk like that (そんな風に歩いてたらダメ)」

「No talking now! (今はおしゃべり禁止!)」

 

Alternative:

「Look ahead when you walk; otherwise, you might hit yourself to the poles or walls (歩くときは前を見てないと壁や柱にぶつかるよ)」

「You can talk later when we get there. I want you to keep walking now because all of us are stuck behind you (着いたら話せるよ。今は歩き続けて欲しいな、みんなあなたの後ろで詰まっちゃってるから)」

 

大切なこと

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上記の例を見てもらったらわかるように、ネガティブな言葉に対してポジティブな言葉は言葉量が圧倒的に多いのがわかりますよね。これは、ただ単にネガティブな言葉をポジティブな言葉に変換しただけではなく、「なぜダメなのか」「代わりにどうしたらいいのか」を示しているからなんです。

 

つまり一番大切なことというのは、ネガティブな言葉を使わないのはもちろんのこと、子供達の言動に対して「何がいけないのか、という理由を明確にしてあげること」「そのまま続けていると何が起きるのか、という想定/ではそうならないようにどうすればいいのか、という解決策もしくは代理案を示してあげること」なのではないか、と私は思います。

 

大人社会も同様

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これは子供に対してだけでなく、大人の世界でも同じことが言える気がします。たとえば会社に「この企画書はダメだ」とただ一喝するだけの上司と、「この企画書のここは良いけど、このままだとちょっと弱いかな。ここはもう少しこうひねった方がインパクトがあって良いかもね」と言ってくれる上司がいるとしたら、どちらの下でより働きたいと思いますか?

 

 

このように、私たちが子供に対して接するときも、子供達が分かりやすく納得しやすいよう常に自分たちが使う言葉に自覚を持つべきなんだな、と今までの経験を踏まえて改めて思いました。

 

子供と接する機会があるときはぜひ実践してみてください!

ポジティブな言葉を使おう!と心がけていても、いざ子供を目の前にすると案外難しいものなんですよこれ... (笑) でもずっとやっているとそのうち慣れてきて、自然と良い言い回しができるようになります。

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のぐとも