のぐともカナダ留学ブログ

15歳で留学開始し、カナダ11年目。 高校、大学を卒業し、現在は幼児教育者として働いています。 永住権取得済み。

Heteronormativityとは

こんにちは、のぐともです。
今回のトピックはHeteronormativity 
共生社会を目指すにあたって必要なことなのでぜひブログにまとめさせて下さい。
 
Heteronormativityとは
 

 
ヘテロノーマティビティ。
このワード知らない人が多いと思います。カナディアンでもワードから推測することが多く、きちんと意味を理解している人は少ないです。
 
 
日本語で調べてみたところ…
異性愛規範性と出ました。
だけど果たしてこの日本語訳で理解する人がどれだけいるだろうか… 正直、私は日本語の方が難しく感じました。そもそもこの訳じゃ伝わらない。
 
英語ではこう出ました。
{08BEC9DD-C3F3-4998-A5E4-D10FC8294931}
英語の方がシンプルな表現が多い分、理解しやすいかもしれないですね。
 
つまりHeteronormativityとは…
性別の役割に対するステレオタイプ
例) 男性は女性と付き合うのが当たり前
例) 女性は男性と付き合うのが当たり前
例) 家庭には母親と父親がそれぞれいるのが当たり前
 
こういったジェンダーロールに対するステレオタイプ。つまりは異性愛が当たり前であり、普通のことだ、という考え方や見方を表す言葉です。
 
異性愛が「当たり前」「普通」と思ってしまうのは仕方のないことだと思います。社会のいたるところで異性愛が当たり前であるという事を強調されています。
 
思いつくものを挙げてみました。
ートイレの男女標識ー

何気なく私たちが外出した時に使うレストランやモール、公共トイレ。思い出してみてください。男性のサインは青色で表されていて、女性はピンク/赤色でスカートを履いた女の子のマークですよね?
 
ーファミリー標識ー

これは家庭には母親と父親という違った性別が不可欠であると暗示しているかのように見えてしまいます。本来、家庭のカタチは様々であるはずなのに。
 
ー広告、メディアー
例えばマクドナルドのハッピーセットに付いてくるオモチャ。最近では減ってきている気がしますが、時には男女でターゲットが分かれていたりします。これは男の子はかっこいいもの、女の子は可愛いもので遊ぶのが"当たり前"という認識を無意識に子供達に与えてしまいます。
 
私たちが気付いてないだけで、社会のいたるところにジェンダーステレオタイプを暗示する物がいっぱい潜んでいます。
 
でも、それは仕方のない事だと思うのです。どう1人が足掻いたところで社会全体が変わろうとしなければ変えることはできません。変えようとすることよりもまず先に私たちがしなきゃいけないのは、自分たちが無自覚であるということを自覚すること。
 
私たちは知らず知らずの内に同性愛者、LGBTQの人たちを傷つけてしまうことがあります。傷つける、というよりは無意識に私たちのジェンダー価値観を押し付けている...といった方がいいかもしれません。
例えば…
Do you have a boyfriend?
Do you have a girlfriend?
この何気なしの質問もLQBTQの人たちを傷つけてしまう要因になる。
 
男性だから彼女?女性だから彼氏?
男性にだって彼氏がいてもおかしくないし、女性に彼女がいたっておかしくない。
だけど私たちは無自覚なジェンダーステレオタイプのせいで彼女いる?彼氏いる?と聞いてしまうのです。
Instead of asking 
"Are you seeing anyone?"
"Are you dating someone?"
 
誰か付き合ってる人はいる?って聞けばいい。彼女、彼氏というワードを使わずにパートナーというワードを使えばいい。
 
このように私たちは無自覚にジェンダー価値観を押し付けていることがあるということです。
 
 
大学時代、あるクラスで共生社会に関するトピックについてインタビューをし、ミニドキュメンタリービデオを作るというグループプロジェクトがありました。
 
私たちのグループが選んだトピックは
Heteronormativity
 
メンバー4人それぞれ違う人にインタビューしました。
私はレズの友達に、他の子は…
ゲイの上司
教師を目指す友達
自分の子供たち
にインタビュー。
 
グループプロジェクトにあたって私たちが決めた一つのテーマは
Why do we need to be aware of this issue (Heteronormativity)?
 
インタビューの質問は
Q1: Do you know what heteronormativity is, and are you able to describe it in your own words?
 
Q2: How have heteronormative discourses, such as gender roles, affected your life?
 
Q3: Are you aware of the presence of heteronormativity in society? Do you realize how heteronormative discourses affect children from birth?
 
Q4: Do you think it is possible for society to reach a point where stereotypes or assumptions about gender roles no longer exist?
 
Q5: How would you feel if an early childhood classroom, and it’s educators, were actively attempting to dismantle heteronormative discourses within their curriculum? 
 
日本語に訳すと…
Q1: ヘテロノーマティビティが何か知っていますか?自分の言葉でそれを説明できますか?
 
Q2: 何かジェンダーロールがあなたに影響を与えたことがありましたか?どう影響しましたか?
 
Q3: 何か社会でヘテロノーマティビティの暗示を感じたことがありますか?どうそれが子供たちに影響すると思いますか?
 
Q4: 性別に対するステレオタイプや偏見がない社会を実現することは可能だと思いますか?
 
Q5: もし幼児教育者がヘテロノーマティビティに関するものを教室から無くそうとする努力をカリキュラムに組みこんでいたらあなたはどう感じますか?
 
 
これらの質問、どう答えるでしょうか?
一人一人がこの問題に向き合うことがジェンダーステレオタイプのない共生社会に少しでも近づけるのでは、と思います。