こんにちは、のぐともです。
今回は皆さんご存知であろう名作、「星の王子さま」についていくつか私なりの考えをまとめていこうと思います。
星の王子さま、小さい頃に1度読んだことがあったのですが、ある程度大人になった今、読んでみたらどう感じらのかな、と疑問に思い改めて読み返してみました。
子供の頃はただなんとなく読んでいただけでしたが、今読むと「なんて難しい本なんだろう」と感動しました! この本はもう哲学書と言っても過言ではないと思います。とても深くて、考えさせられる本です。
そんな星の王子さまの中でも特に私が「深いなぁ」と感じたポイントを少しだけ紹介します。本の内容を知らない方でも理解していただけると思いますが、まだ読んだことがなく、ネタバレが嫌な人はまず実際に本を読んでからぜひ戻ってきてみてください!
ちなみに原作はフランス語で、いろんな国の言語に翻訳されています。日本語だけでも色んな方が翻訳をされていますが、私が読んだのは浅岡夢二さんのkindle翻訳バージョンです。
かなりたくさん素晴らしいシーンがあるのですが、私が特に「深いなぁ」と感じたのは砂漠での場面。
パイロットと王子さまは喉がカラカラな中、井戸の水を求め砂漠を歩き回り、やっと見つけた井戸の水を2人で飲んでるシーンでのパイロットの一言。
"その水はただの水ではありませんでした。星の下を長いあいだ歩き、滑車をすべらせ、ぼくの腕を使って汲み上げた水でした。それはまるで素敵なプレゼントのように、王子さまのハートの栄養にもなったのです"
これ、ただ響きの綺麗な感想のように見えて、実はとても深い意味が隠されてるんですね。
ただの水のはずなのに、彼にとってはただの水ではなかった。なぜなのか?
奇跡のようにただの水がキラキラして見えたのは、王子さまとパイロットがたくさん歩き、たくさん時間をかけて自分たちで見つけた水だからだと思うんです。
もし人から水を与えられたとして、その時は水が飲めたことに満足して2人はすごく感謝することでしょう。なんせ2人とも極限に喉が渇いていたわけなので!
しかしこの文章が表しているのはそういった表面的なことじゃなくて、本質的なことだと思うんです。
たとえその時は水が与えられたことに喜んだとしても、1週間でも経てばそんな事などきっと2人は忘れてしまうでしょう。
でも王子さまとパイロットが得た水は彼らが時間をかけて、自らの手で得たもの。つまり、他人からしたらただの水でも、彼ら2人からしたらキラキラしていて当たり前なのです。
だからこそキラキラの水は2人の喉だけでなく、きっと彼らのハートも潤わし、この時に飲んだ水の味は彼らの中で一生消えることはないんだろうな、と感じました。
その水を飲んだ直後にパイロットが自分の幼少期の思い出を語るシーンが、さらに深くキラキラの水について触れてくれています。
"ぼくが子どもの頃、クリスマスになると、クリスマスツリーにイルミネーションを飾り、真夜中になるとミサの音楽を聞き、両親や兄弟たちの優しい微笑みに囲まれて、うれしい時間を過ごしました。そんなときにもらったプレゼントは、とっても光り輝いていたものですが、いま王子さまが飲んでいる水も、そんなプレゼントに似てキラキラ輝いていたのです。"
このパイロットの話に基づくと、水がキラキラして見えたのは2人が時間をかけ自らの手で得たものだから、という理由とは別の理由が汲み取れました。
パイロットは、自分が小さい頃クリスマスに貰ったプレゼントに対して表面的な評価は一切していない気がします。彼にとって何を貰ったかはさして重要ではなく、みんなと楽しく時を過ごしているときに貰った物だからこそ価値があると考えている、という事が伝わってきました。
つまり今回の井戸探しは、時間をかけ、尚且つ王子さまとパイロットの2人で共に得た水だからこそキラキラして見えて、他の人からしたらただの水でも2人の生涯ではたった一つしかない大切な水へと形を変えていったのかな、と思います。
きっと他人から与えられた水、もしくは1人だけで見つけた水は、彼ら2人が一緒に探して見つけたこのキラキラの水ほどの価値はなかったでしょうね。
さらにこの「星の王子さま」の中には王子さまにいくつかの助言をするキツネというキャラクターがいるのですが、実はこのキツネ「名言製造機か!」と思うほどに名言ばかり生み出すんですよ…
キツネが王子さまに言ったことは、私たちが大人になるにつれて忘れていくものに改めて気付かせてくれている、重要な教訓なんだと思います。
例えば有名な名言のひとつ
"とても簡単なことさ。それはね、ものごとはハートで見なくちゃいけない、っていうことなんだ。大切なことは、目に見えないからね"
そう、目に見えるものが全てじゃないんですよね。大事なのは表面的なことじゃなく、物の本質を見抜くこと。恋愛も当てはまるんですかね?人の気持ちは目に見えないですしね。
続いての名言はこちら。
"君がバラのために使った時間が長ければ長いほど、バラは君にとって大切な存在になるんだ。"
本の中ではバラですが、これはどんな事にも当てはまるんじゃないかな、と思います。さらに、どんな目線でこの本を読むかによっても変わってくるはずです。親にとっては子供であったり、ある人にとっては恋人であったり、あるいは留学している国、仕事、学校であったり……
最初に紹介したキラキラの水についてのシーンと同じですね。自分がきちんと時間をかけたものだからこそ、他の人にとってはただの水でもただのバラでも、自分にとっては意味のあるものになる。他人には理解されにくい、自分にしか価値が理解できないこともこの世にはきっとたくさんあると思います。
さらに、この王子さまの一言がまた深く説明してくれていると思います。
"キミたちはきれいだね。だけど、まだ中身がない。だれもキミたちのために死のうとは思わないはずだからね。もちろん、通りすがりの人が見たら、ボクのバラもキミたちもまったく同じに見えるだろう。だけど、キミたちをぜんぶあわせたとしても、ボクのバラにはかなわない。あのバラは、たった一輪でも、キミたち全員よりも重要なんだ。なぜなら、ボクが、水をやったり、ついたてを立てたり、ガラスの器をかぶせたりして世話をしたからだ。"
たとえ同じバラであっても、王子さまが長い間世話をして、愛情を注ぎながら一緒に過ごしてきたバラはこの世には一輪しかないんですね。
他にもたくさん名言や教訓があると思うんですが... 実際に読んでほしい!!!言葉じゃなくて、実際に読んで実際に自分自身でそれらを感じて欲しいんです。きっと各々で感じ方や捉え方は違うでしょうしね!
また読んでみたら違う考え方も出て来たりするんだろうな。
そう考えると何度も何度も読み返したくなる本の一つです。
のぐとも